かなしみ×赤面

マノン・レスコー (新潮文庫)」を終える。驚くほどさらっと。
文字大きくして馴染み易くした新潮文庫はえらい。
詰まった文字のせいで名作敬遠してたところがあるので。
とても助かる。これからはちらちら手出すだろうなあ。


リュウもマノンも、あさはかかつ我儘なお子様で、痛々しい。
ただ、痛々しいのはふたりの在りようではなくて、自分。
似たような心情に陥ったことがあるから。


恋愛をしたことがある人なら、程度の差こそあれ、
同じような想いを持ったことがあるだろうと思う。
厚顔無恥な言葉を吐いて、悲劇に浸って。


ああ、恥ずかしい。思い出しただけでも赤面する。
その恥ずかしいことが書いてある。ものすごく忠実に。
万人に共通の経験。だからこそ、名作のポジション。
もちろん恋愛の喜びもストーリーもあって。良。