エビス OMOIDE IN MY HEAD 状態

200409301422

せまい、非常階段のある喫煙所から見上げる。
あおそらにかかる電線。こんなにたくさん架かってたっけ。
台風一過。快晴、強風。さよならするには適当な日。


状況悪くたって、トップが無能だって、楽しくやれてた。本当に。
おっとりしたひと、愛想笑いの多いひと、真面目なひと、やさしいひと。
しょぼいオーケストラとか、動物の暮らすちいさな森なんかに似てた。


はじめて勤めてはじめて辞める会社とそれのある恵比寿から、列車はどんどん離れていって。
イヤフォンから流れてきたRezと窓のそとの金色の陽が、釣合っているのかいないのかわからなくなって。
それがかえって心地よく、重い荷物投げ出してゆらり揺れたかった。


明日からは四ツ谷にかよう。やらなきゃいけないことがたくさんあって。
退職、とくべつ寂しいことはない。ただね、ちょっとね、スキだったから。恵比寿。
一度も入ったことない美容室、自動販売機、小路なんかの有り様。まとめて。


今度、あのお寿司を食べに来よう。深紫のパーカーを探そう。
歩き疲れたらお茶をしよう。菓子折り持って会社に立ち寄るなんてことは絶対ないけど、
横目で挨拶くらいはしよう。じゃあまた。