誰かのゴースト

愛猫ガーネット

約二年空けての帰省。羽田に向かう乗り継ぎ、鞄の重さ、空港で増える土産袋。懐。
でもそんなものは序の口。
地元駅から実家までの道、一歩毎、肌が町の空気に順応するような。
高校ブレザー姿の自分。見えるような。ゴースト。
実家の扉くぐり、祖母に挨拶し、父と話をする。愛猫マライアとガーネットの額を撫でる。
弟はひと足先に帰り、もう眠っている。
いいけど。ただいま。