朝みち

8時20分くらいにうちを出、
ひとつ角を曲がり駅に向かって歩く。
その短い道のり、かなりの率ですれ違う人。
その白い肌の女の人は、昔の恋人によく似ていて、
懐かしくも新鮮な、とりとめのない気持ちになる。
つい目配せしてしまいそう。
もちろん、相手はこんな感情を知る由もないし、
知っていたら逆に怖いなあ、そんなことを考えながら歩く。
だから毎朝、ぎこちない表情をしてると思う。
きょうは道が凍っていて、
滑らないようにそっと歩いたから、余計に。