スパ不意打ちスケジュール

金曜日飲んで帰って、日付変わって、ぼんやりして、そろそろ寝ようというとき。
深夜三時。電話が鳴った。サークル仲間だ。こんな時間になんだろう。
「おう、これから健康ランド行くぜ」突然のくせに、前から約束してたような口調。
一秒だけ、疲労と眠気とスケジュールと健康ランドについて算段して、応える。
「ああ。準備するからゆっくり迎えにきて」ずっと前から知ってたよ、という素振り。


みんなと合流して、健康ランドまでドライブ。タバコ吸いながら。近況報告と駄弁。
着いて。みんなで湯船に浸かって。そいつらはフットサル後、オレは飲み後。
眠いとか疲れたなんて言いながら、のんびりする。半年振りに会ったやつの顔を眺める。


「日曜遊び行くんだ。箱根。女の子も来るよ」と仲間のひとり。
「へえ。いいな。温泉か。で、誰が行くの?」とオレ。
「えっ」そいつはこっちを指差して笑っている。算段する。オレも笑う。
「ああ。行くよ。行きたかったんだ。箱根」もう楽しみで仕方なくなる。
不意打ち。突然降ってくる、いまのところ幸運な波の数々。満喫。


温まって、風呂からあがって、健康ランド特有の、ひどいデザインの寝巻きをネタにする。
ゲームセンターで古いゲームをする。だらり。そうして、気がつけば、朝七時過ぎ。
くたびれた、狭い、人でいっぱいの寝床。いびき。それでも泥のように眠る。並んで。
それから一時間半後には起きて、三時間後にはボールとゴールを追いかける。みんなで。